子供の身長が伸びない病気とその改善・治療法

子供の身長が伸びない病気について
子どもの身長はさまざまな理由から大きい子、中くらいの子、小さい子といったように個人差があるものです。

それを個性と受け取ることもできますが、場合によっては低身長が主な症状の病気を疑うことも必要だと言われています。

子どもの身長が伸びない病気にはどのようなものがあるのか、特徴や治療法など詳しく見ていきましょう!

子どもの身長が伸びない病気と改善・治療法について

子どもの身長が伸びる速度は、子どもごとに個人差があります。

生まれた月や、出生体重、その後の食事量などにより、すべての子どもが異なると言われています。

多少の個人差があるとしても、明らかに身長が伸び悩み、成長速度が遅い場合は病気や機能不全が隠れているかもしれません。

子どもの低身長の原因となる病気について調べてみました。

成長ホルモン分泌不全性低身長症・甲状腺機能低下症

■特徴と原因
成長ホルモンや甲状腺ホルモンの分泌機能が低下、または脳下垂体の影響で分泌されなくなる病気です。

成長ホルモン分泌不全性低身長症の場合は、出産時に仮死状態になった子どもや、その他の事故などで、脳が外傷を負ったり、脳腫瘍ができることで、脳の下垂体が障害を受けるために、成長ホルモンの分泌機能の低下が起こり低身長となることがある病気です。

症状が軽度の場合は、はっきりした原因がわからないまま身長が伸びにくい状態になることもあり、詳しい検査をしなければあいまいなこともあります。

また甲状腺ホルモンの分泌が不足している状態のときも、身長が伸びにくくなります。

■主な治療法 ■主な治療法
不足している成長ホルモン、甲状腺ホルモンを補う治療を行います。

ターナー症候群・プラダー・ウィリー症候群

■特徴と原因
どちらも染色体の病気で、ターナー症候群は、2,000人に1人くらいの割合で女子のX染色体の異常が見られる病気です。

X染色体のどこかが欠けている状態や、1本足りない状態に加え、成長では卵巣の発育が悪いことが共通しており、思春期が遅いか、なかなか兆候が見られない場合があります。

また心臓病や難聴などの合併症を引き起こすことがあります。

プラダー・ウィリー症候群は、15番染色体の変異が原因で、10,000人に1人くらいの割合で見られる病気です。

低身長の他に、性腺の発育不良や、乳幼児期の筋緊張の低下など、特徴的な症状もあります。

肥満や発達障害などの症状も見られることで知られています。

■主な治療法 ■主な治療法

  • ターナー症候群
    成長ホルモンや女性ホルモンによる治療
  • プラダー・ウィリー症候群
    成長ホルモン治療と、筋力や代謝の改善のための治療を行います。

子宮内発育不全(SGA性低身長症)

■特徴と原因
出生時、妊娠満期で生まれた子どもでも、身長や体重の小さい子どもや、早産のため妊娠週数の平均的な大きさよりも小さく生まれた子どもは、子宮内発育不全(SGA性低身長症)と呼ばれます。

子宮内発育不全で生まれた子どものほとんどは、3歳ごろまでに身長が伸びますが、身長が思うように伸びずに、一定条件を満たす場合は、治療が必要になります。

SGA性低身長症とは?
英語の「Small‐for‐Gestational Age」の略で、お母さんのお腹の中にいる期間(在胎週数)に相当する標準身長・体重に比べて、小さく生まれることをいいます。
出典:SGA性低身長症|子どもの低身長と成長障害について考える成長相談室

■主な治療法 ■主な治療法
成長ホルモンによる治療を行います。

軟骨異栄養症

■特徴と原因
軟骨異栄養症は、骨や軟骨に異常が見られる病気で、骨や軟骨そのものに異常があるために身長が伸びない状態になります。

胴体に対して手足が短い、頭囲増大、前頭部突出などの、体のバランスに特徴があります。

遺伝する病気としても知られていますが、両親や親族に誰も発症歴がなくても突然変異で発症することがある病気です。

■主な治療法 ■主な治療法
身長を伸ばすために、成長ホルモンによる治療を行うほか、整形外科で骨延長術を行うことがあります。

心臓・肝臓・腎臓などの臓器異常による低身長

■特徴と原因
心臓・肝臓・消化器などの臓器に何らかの病気がある場合、低身長になるケースです。

各臓器のいずれかに異常や病気がある場合、成長に必要な栄養を十分に取りこむことができないため、低身長になるケースがあります。

また、反対に低身長の検査によって臓器の病気が見つかることもあり、小児慢性腎不全などは低身長になる代表的な病名です。

■主な治療法 ■主な治療法
臓器の病気が明確な場合は、臓器の病気治療を行います。

治療によって臓器が健康な状態になれば、身長への影響もなくなり成長が見られるようになるからです。

ですが標準身長に対して-2.5SD(平均身長の下限)を下回る場合は、成長ホルモンによる治療も行います。

低身長を疑う基準は?成長曲線を見てみよう

子どもの身長が思うように伸びず、病気ではないかと疑う場合は、どのような基準で判断すれば良いのでしょうか。

周囲の子どもとの比較の他、一般的な成長範囲から著しく外れているかどうかを判断する必要があり、その目安となるものはどのようなものがあるのでしょうか。

多くの子どもたちのデータをもとに、低身長を疑う基準を紹介します。

成長曲線で知る低身長を疑うべき成長パターン

子どもの身長が平均身長よりも高いか低いかを知るには、年齢別の平均身長のグラフを参考にする必要があります。

文部科学省では定期的に、学校保健統計調査を行い、子どもの年齢別の平均身長のグラフを作成しています。

この平均身長のグラフには、ほとんどの場合、標準範囲が記されています。

平均身長の上下には、「+2SD~、-2SD」といった幅で上限と下限が記されており、日本の子どもたちの95%の子どもが、上限から下限の範囲に含まれるものです。

多くの情報を集めて作成されているため、国内での身長の標準として見ることもできます。

このときに使われている「SD」というのは、「Standard Deviation」の略で、平均身長の標準偏差を表しています。

SD=(身長-平均身長)÷標準偏差
上記の計算式で割り出すことができるもので、その数値がプラスマイナス2の範囲なら正常という判断になります。

グラフによる年齢ごとの平均身長の推移と、実際の子どもの身長の推移を比べていくと、子どもの身長の成長曲線を把握できるようになります。

標準の範囲なら0歳から17歳にかけて右肩上がりのなだらかな曲線になりますが、途中で横ばいになるケースや、標準の下限を下回る計測が多い場合は、注意して成長を見守る必要が出てきます。

年間2回程度身長を測って、たまたま1年程度標準を下回る程度なら、様子をみることも必要ですが、2~3年経過しても標準範囲に入るほどの成長が見られない場合や、標準下限の範囲内でも横ばいに近い状態の場合は注意が必要です。

幼稚園・保育所の年中以降、小学校低学年のうちに、身長が標準範囲を下回り続け、標準範囲に届くような成長がない場合は、早めに小児科を受診して、検査や治療を受けることも考えなければなりません。

子どもの身長が低い状態は、ほとんどの場合が両親からの遺伝や体質によるものが多く、病気によって低身長と診断されるケースはさほど多くありません。

小さく生まれて大きく身長を伸ばす子どももいるので、平均身長よりも小さいからといってすぐに低身長とは決められないことも現状です。

幼稚園・保育所・小学校に通っているときから、年に2回程度の身体測定があるので、万一、低身長を疑われるときは、教育機関から保護者に直接、連絡が来ることも考えられます。

もしも保護者として低身長が気になるときは、担任への相談や、インターネット上でも公開されている、子供の身長の平均値・標準偏差の年次推移などを参考にすることも良い方法です。

すぐにチェックしたい方は子供の平均身長表をご覧ください。

関連記事

HGH協会と身長の関係

HGH協会とは?HGH協会が認証する成長サプリメントの特徴について調査

子供の身長の今と昔を調査

子供の平均身長の今と昔の違い(平均身長の移り変わり)