体を加圧した状態で負荷をかけると、想像以上の大きな運動効果が得られるとして、加圧トレーニングは多くのジャンルの方から注目されているトレーニングの1つです。
今回は成長ホルモンの分泌に関して着目し、子どもの身長が伸びるためには、加圧トレーニングをどのように取り入れると良いのか、詳しく調べてみました。
ここでわかる情報
加圧トレーニングによる子どもの身長への影響について
加圧トレーニングは、有名人・芸能人・スポーツ選手なども実践するトレーニング方法の1つで、短時間で大きな運動効果を得られると評判のトレーニングです。
近年では加圧トレーニングが成長に影響すると言われており、子どもの身長を伸ばすことにも役立つのではないかと注目されています。
加圧トレーニングと成長の関係を調べてみました。
加圧トレーニングのメカニズム
加圧トレーニングは、体にもともと備わっている機能を利用したトレーニング方法で、日本発祥、世界で初めての新しいトレーニングです。
足や腕の付け根をベルトで締めて、適切な圧迫をすることが大きな特徴で、血流を適度に制限することがトレーニングにも非常に大きな意味をもたらします。
1.腕や足の付け根をベルトで締めて圧迫する
腕や足の付け根をベルトで締めて、個々の体に合わせた加圧を行います。
血流を止めるのではなく、適切な範囲で血液の流れを制限するためです。
この状態では手足の末端にある血液が心臓に戻りにくくなり、日常生活では使われていなかった毛細血管にも血液が流れるようになります。
2.10分程度かるい負荷の運動を行う
加圧した状態で10分程度、負荷の軽い運動を行います。
運動により疲労物質である乳酸が貯まり始めます。
この状態を脳が感知することで、成長ホルモンの分泌促進が始まり、徐々に高まっていきます。
乳酸は運動終了後にピークとなり、加圧と軽い負荷の運動で、ハードな運動を思い切りした後と同じような状態を作り出すことができます。
3.ベルトを緩めて加圧から解放し、血流を整える
加圧トレーニング開始直後から成長ホルモン分泌が始まり、トレーニング終了後15分ほどになると成長ホルモン分泌量がピークに達します。
正常範囲になった血流にのり、成長ホルモンは全身に行き渡り、加圧トレーニング開始後1時間程度経過した頃から、体脂肪の分解など体内での活動が始まります。
加圧トレーニング開始から2~3時間経過すると筋肉合成が始まり、48時間程度かけてゆっくりと状態を進行させます。
加圧トレーニングは、血流を適度に制限することに意味があり、加圧することで毛細血管や体の隅々の普段は使わない筋肉にも刺激を与えることができます。
軽い運動により脳には筋肉が大きなストレスを感じていると感知されるため、成長ホルモンが通常よりも多く分泌され、全身をケアしようとする働きを利用したものです。
加圧トレーニングは成長ホルモン増加と子どもの身長を伸ばす効果があるのか
加圧トレーニングを開始してから、15分ほど経過した時点で、成長ホルモンの分泌量がピークを迎えると言われています。
ピーク時は、通常時の200倍から300倍もの成長ホルモンが分泌されるため、この理論から考えると、身長を伸ばすことにも十分に効果がありそうなものです。
実際にスポーツを行っている子どもに対して、加圧トレーニングを実施した場合はどうでしょうか。
第二次成長期の前の段階の子どもに対して、加圧トレーニングを行ったという実績はありますが、加圧トレーニングによって身長が伸びたという実績は、まだまだ不十分な状態です。
全く身長への効果が認められないというわけでもなく、確実に身長が伸びているともいえない状態のため、効果がないわけではないが、あるとも言い切れないのが現状です。
加圧トレーニング後1時間ほどには、分泌された成長ホルモンは体脂肪を分解や筋線維のケアをし始めます。
加圧トレーニングによって分泌された成長ホルモンは、身長を伸ばす骨や筋肉以外にも使われるので、身長を伸ばすことにはマイナスにはならないものの、確実に効果があるとは言い切れないものがあります。
加圧トレーニングの子どもの体へのメリットとデメリットを解説
加圧トレーニングは小さな負荷で大きなトレーニング効果があると言われていますが、成長に対するメリットやデメリットはあるのでしょうか。
成長期の子どもに対して、加圧トレーニングを行う際には、やはり個人に合わせた内容が求められます。
加圧トレーニングが及ぼす、成長へのメリットとデメリットについて調べてみました。
加圧トレーニングによる子どもの成長へのメリットを解説
加圧トレーニングがもたらす成長ホルモン分泌促進によるメリットは、中学生から負荷の少ないトレーニングができることや、簡単に大きなトレーニング効果が得られるなど、良い効果がいくつかあります。
加圧トレーニングにより、子どもの骨や筋肉の成長も期待できるため、スポーツをしている子どもの体作りには、とても良い効果が期待できるものです。
近年の部活動は、身長が高い方が有利なスポーツがたくさんあり、加圧トレーニングが身長を伸ばすことにも多少貢献していると考えられますが、加圧トレーニングだけで身長が伸びるとは言い切れないのも現状です。
加圧トレーニングは、中学生、高校生くらいの子どもが行うと、成長ホルモンの分泌促進効果が期待できますが、身長が伸びるかどうかに関しては、通常の状態に多少プラスアルファが期待できるといえます。
どちらかというと身長を伸ばすことよりも、柔軟性のある筋肉や体を作ることができるため、ケガをしにくく健康的な体作りができるメリットが大きいです。
加圧トレーニングによる子どもの成長へのデメリットを解説
加圧トレーニングは、子どもの成長には良い効果がありますが、デメリットもあります。
加圧トレーニングは、腕の付け根や足の付け根を適切な範囲で加圧しなければならず、1人でトレーニングをすることが危険なものです。
加圧中の負荷のかけ方も1人で選択することは難しく、サポートする教師やトレーナーが必要です。
万一、過剰に加圧した場合や負荷をかけすぎた場合は、その分体が過剰に反応するので、危険な状態になることも想像できます。
また仮にトレーナーを付けて加圧トレーニングを行った場合、トレーナーの経験値や考え方によって、トレーニング効果が異なる点もデメリットでしょう。
個人の体に合わせた加圧が必要なことからも、加圧の基準を定めにくく感じることがあります。
加圧トレーニングができるスポーツジムや、スタジオを利用するとき、トレーナーを付けて行いますが、この場合は利用料金が高くなる傾向があります。
通常のスポーツジム利用時に比べて、1~3割程度は高くなることが多く、加圧トレーニングのサポート可能なトレーナーを付けることが、費用の割増・別途費用がかかる原因になっています。
加圧トレーニングには、こうしたデメリットがありますが、近年では1人でもトレーニングができるように使用方法についての講習が実施されていることや、自宅でも使用できるベルトが販売されていることなど、少しずつトレーニングを快適に行えるように進化しています。
加圧トレーニングは、子どもの身長や柔軟性のある体作りのために、プラスアルファの効果をもたらすメリットもあるので、日々のトレーニングにうまく取り入れていくことがおすすめです。